塾長の想い -BLOG-
塾長の想い その38
2019/12/18
蛇を与える親
「あなたがたの中に、魚を欲しがる子供に、魚の代わりに蛇を与える父親がいるだろうか。また、卵を欲しがるのに、さそりを与える父親がいるだろうか。」(ルカによる福音書)
ある平日の昼間。
駅のプラットホームに、小学校高学年か中学ぐらいの長身の少年と、30代か40代ぐらいの女がいました。
女はおしゃれで美人でしたが、眉間にはくっきり皺が刻まれております。
女の口調から察するに、どうも二人は親子のようです。
「あんたって子は、ほんとに◯◯で、◯◯で、どうしようもなくて、ほんとに」
母親は延々と子の欠点を並べ立てています。
子供は口がきけないのでしょうか。
一言も言い返さず、下を向いています。
「ほんとにどうしようもない子。あんたのことなんか、みんな嫌いなんだからね」
子供が悔しそうに地団駄を踏み始めました。
「みんな、あんたのこと嫌いなんだからね」
電車が来たので、私は乗り込みます。
車内からプラットホームを見ると、子供が母親を殴っていました。
子供が学校でうまくいかないとき、
子供が親に求めるものは様々だと思いますが、
子供が対峙しているあっち側の人間に
親までなってしまうことを
求める子供がいるのでしょうか。
中島美嘉のうたうLIFEという歌で
君は他の誰かじゃなく君のままで
という箇所があります。
英一郎さんは、君のままで、受け入れてもらえなかったその悔しさ、
癒してくれなかった母親に、忙しかった父親に、
どれほどの怒りを抱えていたことでしょうか。
どんな理由があろうと、いじめは許されるものではない。
法的に訴えてやればよかったのに。
なぜそっちの方向に行かず、
子供を追いつめる方向になったんですか。
精神科の薬がどれほど危険なものかわかっていたのでしょうか。
愚かな親のもとに生まれてきても、
子供は自力で立ち直る力があるのに、
クスリやラベリングはそれをぶち壊してしまう。
みんながあの父親に加勢し、
英一郎さんの命を過小評価するのであれば、
少なくとも私だけは。。。
「いまは幸せです」
そう書いてた英一郎さんの命の重さを
惜しみます。
もっと重い刑でも良かったのです。